2016年06月16日

【オンライン法務部メールマガジン】2016年6月号/第46号/[復活した特許異議申立制度]

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2016年6月号 第46号 [復活した特許異議申立制度]

発行 オンライン法務部 http://www.motoffice.jp/olld.index
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[1] ご挨拶
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梅雨ですね・・・。今回は、廣瀬隆行弁理士からです。

また、7/23、Fintech研究会「日本酒とクラウドファンディング」のご案内がございます。

ちなみに・・・。先日、那覇に行っておりました。スコールのタイミングと避け方を学んできました(笑
(本日、沖縄は梅雨明けしたそうです)

編集/茂木


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[2] 復活した特許異議申立制度
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1.特許異議申立て制度
 平成27年4月1日から特許異議申し立て制度が復活しました。特許異議申し立て制度は、
平成6年1月に導入され、平成15年12月に廃止された経緯があります。
 特許異議申し立て制度は、特許公報が発行されてから半年以内に、その特許を取り消す
ことを求めることができる制度です。以前の特許異議申立て制度のもとでは、年間2000件
もの特許が取消又は訂正されたうえで維持されていたように、特許異議申し立て制度は

大変利用されていました。
 ですから、特許異議申立て制度は、企業の特許戦略上大変重要な制度といえます。

 特許を失効させる制度としては、他に無効審判制度があります。特許異議申立ては、

無効審判制度に比べ、比較的簡単かつ安価に、実名を出さずに、短期間で他社の特許を

取り消すことができるというメリットがあります。
 以下、特許異議申し立て制度を紹介します。

2.特許異議申立人
 特許異議申立ては、誰でもできます。つまり、異議申立人には、利害関係が必要とされません。
 ですから、異議申立てをする際に、自ら異議申し立てるのではなく、第三者に特許異議
申し立てを依頼するケースが大変多いです。
 特許事務所は、通常、異議申立用の協力者や、協力企業を有しています。ですから、

弁理士名すら出さずに、特許異議申し立てを行うケースが多いです。

 一方、特許無効審判は、利害関係人でなければ審判を請求できません。ですから、匿名で
特許無効審判を請求することが難しく、通常、競業他社に対して実名で無効審判を請求します。
 相手の特許を失効させるために審判を請求すれば、要らぬ火種をまくことになります。

 
 2016年6月5日現在特許庁のホームページでは、73件の異議決定が公開されています。
 そのうち60件が個人による特許異議申立てであり、3件は特許事務所名での特許異議申立てです。
つまり、企業自体が企業名を明らかにして特許異議申し立てを行ったケースは、1割程度であり、
他のケースは匿名性が高いといえます。

3.特許異議申立ての審理
 特許異議申し立ての審理は、原則として、書面のみで行われます。基本的には、書面のみ
のやり取りで特許異議申し立の審理が進みますので、第三者に特許異議申し立てを
依頼してもそれほど困ることはありません。
 一方、特許無効審判の場合は、通常口頭審理が開かれます。口頭審理では、テレビで観る
裁判のように、特許異議申立人と特許権者が審判廷に出頭し、様々な主張を行います。

 ですが、特許異議申立てでは、口頭審理は行われません。 

4.特許異議申立てのスピードと状況
 上記のとおり特許異議申し立て制度は復活したばかりであり、比較的審理がスムーズに
進んだ案件のみの決定が出されている状況かもしれません。現状では、 特許異議申立てを
しても特許庁が特許を失効させない(異議申し立て理由がない)と判断した場合、2〜10カ月
程度で特許を維持する旨の結論が出ているようです。
 特許庁が、特許異議申立人の主張を採用した場合、取り消し理由が通知されます。この場合、
異議申立てから通常2〜4カ月程度で取り消し理由が通知されているようです。
 上記の例では、37件の特許について取り消し理由が通知されていました。
 すると、およそ半分程度の異議申立てについて取り消し理由が通知されているようです。
 この取り消し理由通知に対し特許権者の方では意見を述べたり、特許を修正(訂正)すること
ができます。その結果、特許異議申立てされた特許権がすべて消滅したケースは、6件(1割弱)
にとどまっています。
 一方、特許権者が訂正をし特許が維持されたケースは24件でした。すると、特許異議申し立て
を受けた特許のうち、4割程度は、特許異議申し立てによりその特許権の範囲が狭くなったか、
失効したといえます。特許異議申し立てにより特許を失効させられなくても、例えば、訂正によって、
相手の特許を狭めることができたのでしたら、特許異議申し立てを行た異議が十分あったといえる
可能性があります。

5.特許異議申し立て制度を踏まえた特許戦略について
 通常の企業は、定期的に他社特許を調査しています。この調査は実はそれほど大変では
ありません。つまり、検索に用いる検索式を決めておいて、検索式にヒットする他社特許を入手し、
自社製品や自社の開発動向との関係を検討すれば良いのです。
 特許公報が発行されてから半年以内であれば、自社の名前を出さずに他社の特許を失効
させることができる可能性がありますので、他社特許をチェックしていて、失効させたい特許が
成立した場合は、特許異議申し立てを検討するのも有効だと思います。

執筆: 廣瀬国際特許事務所 代表
     弁理士 廣瀬隆行
     URL  http://www.hirosepatent.jp/


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[3] 【Fintech研究会】 7/23「日本酒とクラウドファンディング 〜ネットによる資金調達とファン獲得〜」
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さて・・・。7/23、フィンテック研究会は、
「日本酒とクラウドファンディング 〜ネットによる資金調達とファン獲得〜」をテーマに開催します!
今回は、クラウドファンディングのプラットフォーム「green funding」にて、
日本酒とその文化のクラウドファンディングを展開されている
「MIRAI SHUFUND」の山本祐也さんにご発表をいただきます。
https://greenfunding.jp/sake

@日本酒及び周辺カルチャーのムーブメント、
A日本酒とクラウドファンディングの親和性、
そして、Bクラウドファンディングによる資金調達とファン獲得、
という感じの内容です。
美味しいお酒もいただく予定です(笑
ぜひ、ご参加申込みをお待ちしております!


20160723フィンテック研究会第7回(士業ビジネス研究会)
テーマ 日本酒とクラウドファンディング 〜ネットによる資金調達とファン獲得〜
発表者 山本祐也さん(ミライシュハン株式会社代表取締役)
日 時 2016年7月23日(土曜日) 
     16時45分開場、17時00分開始、18時50分終了
会 場 東京/竹橋 ちよだプラットフォームスクウェア 5階 会議室503
     地図→ http://www.yamori.jp/access/?id=10
参加費 2,000円
参加申込
    担当(茂木)のメルアド info@sp-senryaku.org まで、
    下記の内容を送信してください。

    7/23フィン研に参加します。
    お名前:
    所属:
    連絡先(メルアド):
    懇親会の出欠: 出席/欠席

    または、下記のらくらく参加フォームからお申込みください。
    「勉強会名」を「7/23フィン研」としてください。
    (SSL暗号化対応)
    https://form.os7.biz/f/4da7401d/

勉強会終了後、懇親会を開催します(費用別途)。


【編集発行】オンライン法務部

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