2017年07月20日

【オンライン法務部メールマガジン】2017年7月号/第59号/[合同会社の定款について]

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
技術系・ITベンチャーの実務に役立つ法律・知的財産情報
2017年7月号 第59号 [合同会社の定款について]

発行 オンライン法務部 http://www.motoffice.jp/olld.index
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[1] ご挨拶
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

暑中お見舞い申し上げますね・・・。今月号は、松田敏明司法書士からです。

編集/茂木


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[2] 合同会社の定款について
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

1.合同会社の特徴
(1)総論
合同会社とは、平成18年5月に施行された会社法で新設された会社形態で、
当初は認知度の低さからかあまり選択肢として挙げられてきませんでしたが、
徐々に設立された会社数も増えてきています
(2014年:約20,000社、2015年:約22,000社、2016年:約24,000社)。
主な利用事例としては、(a)個人事業から法人形態に移行(法人成り)する
ベンチャー企業、(b)平等な発言権を持つ共同事業、(c)シニアや主婦の小規模な
起業という合同会社の特徴を活かしたケースのほか、(d)資産流動化におけるSPC、
(e)外国法人の子会社、(f)資産管理会社のようなケースも見られます。
(2)特徴
@ 所有と経営の一致
合同会社では、出資者である社員が業務執行権を持っており、出資者自身が
業務を行っていくことで、スムースかつ迅速に意思決定を行い、会社経営を
していくことができます。
A 運営の自由度が高い
合同会社は、社員間の人的信頼関係の上に成り立っており、定款自治が
広範囲に及び、法律の規定に違反しない限り、定款の規定を自由に設計する
ことができます。
B コストが安い
合同会社を設立する場合、公証人による定款認証手続が不要であるため、
認証手数料(5万円)がかからず、また、設立登記の登録免許税は、
最低金額が6万円とされています。
また、合同会社では、毎年の決算公告が義務付けられていないため、
その公告掲載費用が不要であり、また、役員の任期が決められておらず、
任期満了に伴う変更登記も必要ないため、その登記に関する登録免許税
もかかりません。

2.合同会社の定款
上で述べたように、社員間の人的信頼関係が重視される合同会社では、
ある程度自由に定款の規定を決めることができることから、社員同士の関係性や
事業内容などによって、自社の定款を検討する必要があります。
その際にポイントとなる内容をいくつか挙げてみます。
(1)重要事項の決定
合同会社では、重要事項の決定は、社員全員で行うのが原則ですが、定款変更や
合併・組織変更・種類変更などの決定について定款で別の決定基準を設けることができます。
(2)業務執行
合同会社の社員は、全員で会社の業務を執行するのが原則ですが、定款で
業務執行社員を定め、一部の社員が業務執行には関わらないようにすることもできます。


また、社員が複数人いる場合、業務執行は社員の過半数の決定によるのが
原則ですが、会社に関するすべての決定を社員全員の同意が必要とすることも可能です。


(3)議決権
合同会社では、出資比率とは関係なく、社員には平等に発言権がありますが
(1人1議決権)、定款で出資比率に応じた議決権とするなど別の要件を定めることも可能です。
(4)代表権
合同会社の社員は、業務執行権を有し、代表権を持つのが原則ですが、
業務を執行する社員の中から特定の人を代表社員とすることができ、その場合、
定款に直接代表社員を定めるか、定款で「業務執行社員の中から互選によって
代表社員を定める」という規定を置くことになります。
(5)持分の承継
合同会社の社員が死亡した場合には、法律上の退社事由に該当し、退社する
のが原則ですが、個人である社員が死亡した場合や法人である社員が合併により
消滅した場合に、その社員の相続人や合併法人などが持分を承継するという規定を
定款に置くことができます。

3.まとめ
合同会社は、小規模でスタートするのが一般的ではありますが、その後の事業展開
によっては社員が増えていく可能性や、時間が経過するにつれて共同事業社との
関係性が変わってくる可能性もあるかと思います。
そうなってから定款の整備をしようとしても、社員全員の承諾が得られずに、定款変更

ができず、八方ふさがりになってしまうことも考えられます。そのため、設立の段階、


もしくは初期の段階で、機動的な運営ができるようなその会社に適した定款を作っておく
必要性が高いと言えます。

執筆: 司法書士 松田敏明


【編集発行】オンライン法務部

オンライン法務部とは http://www.motoffice.jp/olld.index
専門家集団のご紹介 http://www.motoffice.jp/olld.profile.html


posted by olld at 10:33| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする