2019年11月20日

【オンライン法務部メールマガジン】2019年11月号/第87号/[意外と知られていない研究開発税制]

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2019年11月号 第87号 [意外と知られていない研究開発税制]
発行 オンライン法務部 http://www.motoffice.jp/olld.index
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[1] ご挨拶
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秋、深まってきましたね・・・。

今月号は、阿部尚武税理士からです。

編集/茂木


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[2] 意外と知られていない研究開発税制
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東日本地域の方々には、台風に翻弄された大変な季節となってしまいました。本格的な復旧はまだまだこれからだと思います。一日でも早い復興を祈念申し上げます。

さて今回は、意外と知られていない研究開発税制についてです。
今は歴史的に法人税の税率が低い時代です。節税を考える上では、所得税の高さと法人税の低さを理解することがとても重要です。所得税を納税せず、法人税をうまく納税すると資金が手元に残りやすくなります。また法人税を納税する場合でも、うまく税額控除を取れれば、さらに法人税の納税額を下げることができます。ですので、法人税を納税する場合に法人税の税額控除を十分理解することで、全体の節税につながりやすくなります。また、中小企業ではあまり注目されていませんが、実は風俗業などの特殊業界以外、ほぼ全ての業種で研究開発税制は適用することができます。ですので、試験研究費の支払いがあれば、研究開発税制の税額控除を受けることができます。
今回は、研究開発税制の概要と研究開発費のポイントをご紹介します。

1.研究開発税制の概要
研究開発税制には3つの類型があります。
※研究開発税制の種類
@試験研究費の総額に係る税額控除制度
A中小企業技術基盤強化税制
B特別試験研究費の額に係る税額控除制度

Bは、国等との共同開発に係る研究開発ですので、中小企業が取れる税額控除は主に@とAです。研究開発税制が取れる条件は、今期に支出した試験研究費が、前3期の試験研究費の平均額より多い場合に適用されます。また、前3年以内に試験研究費の支払いがなければ、必ず研究開発税制が適用できるのもポイントです。
そして重要なのが、試験研究費となる経費です。どんなものが経費となるのでしょうか。

2.試験研究費の種類
税法上、試験研究費として認められる経費は、目的要件と経費要件があります。
※目的要件
@製品の製造又は技術の改良、考案若しくは発明に係る試験研究のための費用
A新サービス研究のために要する費用

Aの費用はざっくり言うと、いわゆるビックデータ解析を利用した事業に関する研究費ですので、ビックデータを取り扱う企業であれば、研究開発費として認められる可能性があります。通常適用できる可能性があるのは@です。試験研究費は基礎研究・応用研究・開発研究の3つに区分されますが、可能性が高いのは開発研究です。@の要件を満たす試験研究であれば、製造業以外でも適用可能です。

次に経費要件です。
※経費要件
@その試験研究を行うために要する原材料費、人件費(専業に限る)及び経費
A他の者に委託をして試験研究を行う法人のその試験研究のためにその委託を
受けた者に対して支払う費用
B技術研究組合に支払う賦課金
C試験研究のために使用する減価償却資産の減価償却費

人件費は開発専業の研究員でないと認められません。材料費・経費は使えます。また、委託開発は子会社への委託でも適用できる点がポイントです。金額の多寡を問わないので、1円でも研究開発費として認められる点もポイントです。

上記経費や目的が明確であれば、開発計画を立てて、計画・開発・検証のプロセスを記録することで、十分研究開発税制を活用することができます。
みなさんの事業でも、技術開発を行ってみてはいかがでしょうか。

執筆: 阿部尚武税理士事務所 代表 阿部尚武
http://www.abekaikei.com/




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