2012年11月28日

【オンライン法務部メールマガジン】2012年10月号/第4号/[ベンチャー企業における資金調達の方法]


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技術系・ITベンチャーの実務に役立つ法律・知的財産情報
2012年10月号 第4号 テーマ [ベンチャー企業における資金調達の方法]
発行 オンライン法務部
http://www.olld.jp/
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[1] メルマガ第4号のご挨拶
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皆さんこんにちは。朝晩を中心に肌寒い日も出てきました。日も短くなり、秋も
本番を迎えようとしている今日このごろですが、みなさまますますご活躍のこと
とお慶び申し上げます。

各士業の専門性と経験を生かしたワンストップサービスを展開しているオンライ
ン法務部からのメルマガ第4号をお送りいたします。

今回は、どんなビジネスをするにしても欠かせない、そして特にベンチャー期に
は苦労することも多い資金調達についての話題です。



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[2] 今回のトピック ベンチャー企業における資金調達の方法 
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1.ベンチャー企業における資金調達の必要性

ベンチャー企業においては、始めから必ずしも資金調達のニーズが高いケースば
かりではないでしょうが、技術系ベンチャーであれば研究開発に要する費用や、
研究者の人件費などを用立てする必要が出てくることがあるでしょう。

また、インターネットやソフトウェア系のベンチャーであれば、初期の設備投資
等のコストはそれほど大きくなく、当初から資金調達のニーズは低いかもしれま
せんが、「スピードが命」の部分でやはり開発費や人件費が必要になるケースも
あるかと思います。


2.資金調達は「融資」ではなく「出資」?

資金調達の必要が生じた際に、銀行等からの借入れ(融資)による方法も考えら
れますが、金利も発生し、返済をする必要も出てきますので、特に安定した売上
もないベンチャー企業であれば、避けたいところですし、そもそも担保や保証人
がない状態で銀行等から借入れをすることは難しいと言えます。

これに対し、会社に「出資」をしてもらう場合、その対価として、会社が発行す
る株式を引き受けてもらいますので、会社はその出資を受けた金額を返済する義
務はなく、また、その株式を引き受けた株主は、出資した金額以上の責任を負う
ことはありません(有限責任)。


3.株式発行の手続き

株式を発行する場合には、会社法の規定に従って、募集株式発行の手続きを進め
ていくことになります。いわゆる「第三者割当増資」と呼ばれ、一般的には、以
下の流れで進められます。
(1)株主総会による募集事項の決定
(2)株式の申込み
(3)株式の割当て
(4)出資の履行(出資金の払込み)
(5)登記手続


4.株式発行手続で注意すべき点

株式発行の手続上、注意すべきポイントとしてはいくつか考えられますが、ここ
では2つのポイントを挙げます。

まずは、3.(1)において決定すべき募集事項のうちの「募集株式の数」(発
行株式数)と「募集株式の払込金額」(1株当たりの株価)です。

ベンチャー企業が持っている技術・サービスや事業計画に対する評価、出資を受
ける時点での企業価値や必要となる資金の額などを元に、ベンチャーキャピタル
等との間で出資額が決定されることになるでしょうが、出資額が決まったところ
で、1株何円で、何株発行するかがその後の会社運営に影響を及ぼします。

また、株主は、配当を受ける権利のほか、会社の運営上重要な事項を決定する株
主総会での議決権を持ち、その議決権の数によって、株主総会での発言力が変わっ
てきます。

例えば、
(1)3分の2(66.66・・%)以上の議決権を持つと、定款変更、合併・事業譲渡、
  減資など、会社のほとんどの重要事項についての決定権を持つことになりま
  す。

(2)過半数(50%超)の議決権を持つと、役員(取締役・監査役など)の選任
  権を持つことになり、結果として、取締役会などでの通常業務についての決
  定権も持つことになります。

(3)3分の1(33.33・・%)超の議決権を持つと、(1)での決定事項に対する
  拒否権を持つことになります。

つまり、株主が持つ株式数(議決権数)によっては、その株主の了承が得られな
ければ、定款に定められる商号や目的の変更、合併や事業譲渡などもできないこ
とになってきますので、ベンチャーキャピタル等の出資を受ける際には、その後
に社長・創業者・役員・従業員などの安定株主(意思統一が図れる株主)がどの
くらいの議決権数を維持できるかを想定して発行株式数等を決定する必要がある
でしょう。

なお、本稿の内容のうち、意見にわたる部分は、執筆者個人の見解です。

                (執筆 司法書士 松田 敏明)


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