2014年08月17日

【オンライン法務部メールマガジン】2014年7月号/第23号/[会社法改正(平成26年公布)について]


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2014年7月号 第23号 
テーマ [会社法改正(平成26年公布)について]
発行 オンライン法務部
http://www.olld.jp/
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[2] 会社法改正(平成26年公布)について
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1.「会社法の一部を改正する法律案」が可決・成立
 http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00151.html
 社外取締役を置くことで企業統治を強化することなどを柱とする「会社法の一部を改正する法律案」
 が、平成26年6月20日に参議院本会議で可決・成立し、6月27日に公布されました。
 施行日は、来年の4月か5月で調整されていくようです。
 現行の会社法が平成18年5月に施行されてから最初の大きな改正になりますが、
 まだ法律が公布されたばかりですので、今回は概要について簡単に取りまとめたいと思います。

2.主な改正点
(1)企業統治関連
@ 社外取締役・社外監査役の社外要件の見直し
 現在の会社法の規定から以下の点について要件が厳格化されます。
(i)当該会社の親会社等(自然人であるものに限る)又は親会社等の取締役・執行役・支配人
  その他の使用人でないこと
(A)当該会社の兄弟会社の業務執行取締役等でないこと
(B)当該会社の取締役・執行役・支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る)の
   配偶者又は二親等内の親族でないこと
※「親会社等」とは、親会社又は株式会社の経営を支配している者(法人であるものを除く)として
  法務省令で定めるもののいずれかに該当する者のことを指します。

 また、一方で、以下の点については要件が緩和されます。
(i)当該株式会社又はその子会社の取締役等を辞めてから10年が経過すれば、社外取締役等になることができます。
 なお、この要件には経過措置が設けられており、改正法施行の際にすでに現存する社外取締役等については、
 改正法施行後最初に終了する事業年度に関する定時株主総会の終結の時までは、従前の例によるとされています。

A 社外取締役を置いていない場合の理由の開示
 事業年度末日時点において公開会社かつ大会社である監査役会設置会社で、金融商品取引法の規定により
  有価証券報告書の提出義務がある株式会社が社外取締役を置いていないときは、
  当該事業年度に関する定時株主総会で、社外取締役を置くことが相当でない理由を説明しなければならないものとされました。
  なお、今回は社外取締役の選任義務化は見送られましたが、
  改正法の附則に『政府は、この法律の施行後2年を経過した場合において、社外取締役の選任状況
  その他の社会経済情勢の変化等を勘案し、企業統治に係る制度の在り方について検討を加え、
  必要があると認めるときは、その結果に基づいて、社外取締役を置くことの義務付け等所要の措置を講ずるものとする。』
  と定めたことから、2年後に義務化される可能性は残されています。

B 監査等委員会設置会社制度の創設
 監査等委員会設置会社とは、監査等委員会を置く株式会社のことで、主な特徴は以下のとおりです。
(i)取締役会・会計監査人を置き、監査役を置くことはできない。
(A)指名委員会等設置会社(現行の委員会設置会社)は、監査等委員会を置くことはできない。
(B)監査等委員会は3名以上の監査等委員から構成される。監査等委員は取締役であり、
   その過半数は社外取締役であることが必要です。
   なお、監査等委員会設置会社では、監査役を置かないので、社外監査役は不要となります。
(C)取締役の選任決議では、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役を区別する必要があり、
   監査等委員である取締役の解任決議は、特別決議が必要となります。
(D)監査等委員会設置会社の取締役の任期は1年ですが、監査等委員である取締役の任期は2年で、
   短縮することはできない。

(2)親子会社関連
@ 多重代表訴訟制度の創設
 子会社の取締役等の当該子会社に対する責任について、親会社の株主が、子会社に対して
 その取締役等の責任(特定責任)を追及する訴えを提起するよう請求し、
 子会社が当該請求の日から 60日以内に特定責任追及の訴えを提起しない場合には、


 親会社の株主が、子会社のために、子会社の取締役等に対して直接、特定責任追及の訴えを
 提起することができることになります。

(3)その他
 ベンチャー企業を始めとする中小規模の株式会社においても影響すると考えられる主な改正点は
 以下のとおりです。
@ 発行可能株式総数の規制
 公開会社でない株式会社が定款を変更して公開会社となる場合、当該定款の変更後の発行可能株式総数は、
 当該変更効力発生時点における発行済株式の総数の4倍を超えることができないことになります。

A 募集株式が譲渡制限株式である場合等の総数引受契約
 募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合において、
 当該募集株式が譲渡制限株式であるときは、株主総会の特別決議(取締役会設置会社においては取締役会の決議)
 によって、当該契約の承認を受ける必要があります。

B 監査役の監査の範囲に関する登記
 定款に監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定めがある株式会社においては、
 当該定款の定めがある旨が登記事項に追加されることとなります。
 なお、改正法施行の際現に当該定款の定めがある株式会社においては、
 改正法施行後最初に監査役が就任又は退任するまで、その登記をすることを要しないという経過措置が設けられています。


執筆 

司法書士 松田敏明
http://www.mtd-law.com/

posted by olld at 14:22| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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