2015年08月20日

【オンライン法務部メールマガジン】2015年8月号/第36号/[会社法等改正に伴う登記手続の変更について]

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2015年8月号 第36号 
テーマ [会社法等改正に伴う登記手続の変更について]

発行 オンライン法務部
http://www.olld.jp/
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[1] ご挨拶
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処暑も間近という感じでしょうか・・・。とりあえず、第36号です。

今回のテーマは、松田敏明司法書士から
「会社法等改正に伴う登記手続の変更について]についてです。

編集/茂木


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[2] 会社法等改正に伴う登記手続の変更について
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1.総論
 会社法の一部改正が今年の5月1日になされ、数か月が経ちましたが、
今回は改正された内容のうち、登記手続に関連するものについてピックアップしてみます。
 また、その会社法改正前である今年の2月27日に、登記実務的には影響も
大きい商業登記規則の一部改正もありましたので、そちらの改正点についても
まとめてみたいと思います。

2.会社法の改正
(1)取締役及び監査役の責任限定契約
@ 概要
 改正法施行前は、社外取締役や社外監査役については、会社に対して任務を怠った
ことによって生じた損害を賠償する責任を負うことについて、会社とその社外取締役等


との間で、責任の範囲について一定の額を限度とする契約(責任限定契約)を締結する


ことができる旨を定款で定めることができるとされていました。
 今回の改正法によって、社外取締役及び社外監査役の要件が厳格化されたため、
これまで責任限定契約を締結できた取締役等が、要件を満たさないこととなって、
契約を締結できなくなるケースが出ることから、責任限定契約の対象者についても
改正が行われました。
A 改正点
 責任限定契約を締結できるかについて業務執行を行うかどうかで区別するものとし、


取締役については業務執行取締役等でない取締役、監査役についてはすべての監査役が、


責任限定契約を締結することができることとなりました。
B 登記への影響
 責任限定契約についての定款の定めが社外取締役又は社外監査役に関するもの
であるときは、取締役又は監査役のうち社外取締役又は社外監査役であるものについて、


社外取締役又は社外監査役である旨が登記事項とされていましたが、改正法により、
これらが登記事項から削除されました。
 なお、改正法施行前から定款に社外取締役等との間で責任限定契約を締結することが


できる旨の定めがあった会社においては、施行後も引き続き社外取締役等との間で
責任限定契約を締結することが可能であり、その場合、その定款の定めに関する変更登記も
必要ありません。
 これに対し、改正法施行後に、業務執行取締役等でない取締役や社外監査役でない
監査役との間で責任限定契約を締結しようとする場合には、その形に合った定款変更を行い、
その定款の定めに基づく変更登記をする必要があります。

(2)監査役の監査の範囲に関する登記
 公開会社でない株式会社(監査役会又は会計監査人を置く会社を除く)は、定款に
監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定めることができるとされています。
 ただ、会社法において、「監査役設置会社」には、監査役の監査の範囲についての
定款の定めがある会社は含まれないと定義され、なおかつ、その定款の定めがある
会社の監査役については適用されない規定がある一方で、「監査役設置会社」である旨が
登記事項とされている点においては、監査役の監査の範囲についての定款の定めがある


会社も含むと規定されています。
 そこで、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある
株式会社であるときは、その旨が登記事項として追加され、定款に監査役の監査の範囲


についての定めがある会社であるかどうかが登記上明らかとなりました。

3.商業登記規則の改正
(1)本人確認証明書の添付
 株式会社の設立の登記もしくは取締役又は監査役の就任(再任を除く)の登記を申請


する場合、「本人確認証明書」の添付が必要となりました。
 具体的には、これらの登記を申請する場合の申請書には、取締役又は監査役が就任を


承諾したことを証する書面(就任承諾書)を添付する必要がありますが、その就任承諾書
に記載された氏名・住所と同一の氏名・住所が記載されている「本人確認証明書」の添付も
必要となりました。
 「本人確認証明書」とは、市区町村長その他の公務員が職務上作成した証明書
(取締役等が原本と相違がない旨を記載した写しを含む)を指し、例えば、
(@)住民票の写し又は住民票記載事項証明書
(A)戸籍の附票の写し
(B)運転免許証、住民基本台帳カード、運転経歴証明書の写しに、その取締役等が
原本と相違がない旨を記載して署名又は記名押印したもの
(裏面に変更履歴等が記載されるものについては、裏面の写しも必要)
などが該当します。
 なお、各登記の申請書に、その取締役又は監査役の印鑑証明書が添付されているときは、
本人確認証明書の添付を省略することができます。

(2)代表取締役等の辞任
 登記所に印鑑を提出している代表取締役等の辞任の登記を申請する場合、辞任届には、


その代表取締役等の実印又は登記所への届出印の押印が必要となりました。
 これまでは、辞任届に押印する印鑑について特に制限はありませんでしたが、登記所に
印鑑を提出している代表取締役又は取締役が辞任する場合、辞任届に登記所に
届け出ている印鑑(会社代表印)を押印するか、辞任届に代表取締役等の個人実印を押印し、
その実印についての印鑑証明書の添付が必要となりました。

執筆: 司法書士 松田敏明



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