2019年05月16日

【オンライン法務部メールマガジン】2019年5月号/第81号/[わかりやすくなった【所得拡大促進税制】とは?!]

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
技術系・ITベンチャーの実務に役立つ法律・知的財産情報
2019年5月号 第81号 [わかりやすくなった【所得拡大促進税制】とは?!]
発行 オンライン法務部 http://www.motoffice.jp/olld.index
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[1] ご挨拶
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

初夏ですね・・・。

今月号は、阿部尚武税理士からです。

編集/茂木


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[2] わかりやすくなった【所得拡大促進税制】とは?!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

さて今回ご紹介するのは、新しくなった【所得拡大促進税制】です。
平成25年度から始まったこの制度は、以下の要件を満たす場合に、前期から増加した
人件費の10%(特定の要件を満たす場合には22%)を納税額から控除する制度です。
企業はもちろん、個人事業者にも適用があります。この制度の適用要件が変わり、
さらに税額控除の上乗せができるようになりました。

1.要件の変更
※所得拡大促進税制の要件(今まで)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1.基準年度と比較して給与が増加
2.前期と比較して給与が増加
3.前期と比較し一人当たりの月額給与が増加
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

上記要件が以下の通りとなります。

※所得拡大促進税制の要件
(平成30年4月以降開始事業年度より)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1.(なし)
2.前期と比較して給与が1.5%増加
3.前期と比較し一人当たりの年額給与が増加
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

実は、3の「一人当たり給与」の対象者も変わりました。
今までの対象者の条件は以下の通りです。

※「一人当たり給与」の対象者
(すべての要件に該当する者)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1.前期・当期に給与をもらっている者
2.65歳以上の再雇用されている者以外の者
3.週20時間以上働いている者
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

1ですが、前期に中途入社した場合や当期に中途退職した者も含まれます。
これが平成30年の税制改正で、以下のように変更となります。

※「一人当たり給与」の対象者
(すべての要件に該当する者)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1.前期首から当期末まで在職している者
2.65歳以上の再雇用されている者以外の者
3.雇用保険の適用対象者
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

これまでは、中途入社した者や退職者の給与を考慮していたのですが、これからは
前期首から当期末まで在籍している者のみで判定します。ちょっと分かりづらいのですが、
要は前期・当期に中途入社または退職者でない者の給与が上がれば適用できる
ことになります。ですので、従業員の入退社が激しくて平均給与が上がらない企業
には朗報です。
また、雇用保険に実際加入している者のみがこの比較対象者となりました。
ですので、 2年以上の在籍者の給与が1.5%あがれば適用できます。例えば、年収
300万円の場合は年収304.5万円となれば適用できます。
さらに、2年以上勤めている従業員がいない会社には適用がありません。ここもポイント
かもしれません。従業員が入社したばかりの場合、入社3年目の決算から適用が
受けられます。

2.税額控除
税額控除は控除額が10%から15%に増加しています。さらに以下の要件を満たして
いる企業は10%の上乗せ措置があります。通常の15%と合わせると最大25%の
税額控除が認められます。

※上乗せ要件(次のいずれかを満たす)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1.教育訓練費が前期より10%増加し、「一人当たり給与」が2.5%増加していること
2.経営力向上計画の認定を受け、その後、経営力向上報告書を提出すること
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

上乗せを目指すために従業員の給与を増やし、かつ教育訓練費を増やす目標を立てる
と良いかと思います。

いかがでしょうか。判定の基準がかなり異なることになるので、一概に良くなったか悪く
なったかは言えませんが、長く務める従業員の待遇を良くしていくことで、税額控除
が受けられると考えれば、事業発展のため従業員のモチベーションを上げるきっかけ
づくりが出来るかもしれません。

執筆: 阿部尚武税理士事務所 代表 阿部尚武
http://www.abekaikei.com/




【編集発行】オンライン法務部

オンライン法務部とは http://www.motoffice.jp/olld.index
専門家集団のご紹介 http://www.motoffice.jp/olld.profile.html


posted by olld at 14:49| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: