2017年05月20日

【オンライン法務部メールマガジン】2017年5月号/第57号/[法人成りをする社長の給与はいくらが適正か?〜前提を知る〜]

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技術系・ITベンチャーの実務に役立つ法律・知的財産情報
2017年5月号 第57号 [法人成りをする社長の給与はいくらが適正か?〜前提を知る〜]

発行 オンライン法務部 http://www.motoffice.jp/olld.index
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[1] ご挨拶
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初夏なんでしょうが涼しいですね・・・。今月号は、阿部尚武税理士からです。

また、6/12月、19時00分〜、銀座開催の
アジア・ビジネス・ミーティング
「ベトナムの医療環境 ~医療機関、医療機器、医療人材におけるビジネス進出可能性は?~」
のご案内がございます。
東南アジアへのビジネス進出支援をサポートしている、
株式会社アジア戦略アドバイザリーの杉田浩一さん
http://j-asa.net/
にご発表をいただきます。

編集/茂木


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[2] 法人成りをする社長の給与はいくらが適正か?〜前提を知る〜
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確定申告が3月に終わり、個人事業を法人成りした方、もしくは法人成りを検討している方も
いらっしゃるかもしれません。法人成りとは、特に決まった定義はありませんが、
一般的には【法人を設立し、個人事業をその法人に承継させる】ことをいいます。
その際によく聞かれることがあります。それは【社長の給与はいくらにすればいいか?】という質問です。

そこで、いくつか考え方があると思うのですが、役員報酬を検討する際にその前提を
検討しなければなりません。今回はその前提条件を十分理解しましょう。

※前提を知る
役員報酬を検討する前に、理解しておく事項があります。ここはかなり重要です。
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? 社会保険の強制加入は覚悟しなければならない
? 借入金返済は法人利益からしか返済できない
? 上記2つの事実から基本金額の補正をする
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ここで基本金額とは、役員報酬の金額を算出するうえで基本となる金額をいいます。
そしてこの基本金額を基に役員報酬を決定します。

【基本金額=法人成りの前年の事業所得+青色申告特別控除+青色専従者給与】

要するに、前年における実質的な利益を指します。社長はこの金額ぐらい稼いでいたということです。

? 社会保険の強制加入は覚悟しなければならない
法人成りの際に重要な論点がもう一つあります。それは社会保険の強制加入です。
おそらくこれが法人成りの最大のデメリットです。単純に経費が増えます。
今後は役員報酬を含む給与には、+15%の別の出費がかかる事を忘れないでください。

基本金額はこの補正が必要になります。

【社会保険の補正:基本金額=補正前の基本金額÷(1+15%)】
(なお15%は、平成29年度の社会保険料の会社負担額です。)

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※例1
事業所得 500万円・減価償却費 100万円
専従者給与 150万円・青色申告特別控除65万円の場合
基本所得 (500+65+150)÷1.15=621万円
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この補正は絶対に必要になります。ですので、法人成りをした場合には、
現状の粗利益率を見直す必要が必須といえます。

? 借入金返済は法人利益からしか返済できない
借入金がある状態で法人成りをした方は、返済の資金を確保しなければなりません。
そこでまず重要な事実を一つ。借入金は利益からしか返せません。
例外はありません。極めて重要な事実です。本当に忘れないでください。

そして、ざっくりで良いので借入金の年間返済額の合計を計算してみてください。
その金額と減価償却費の金額を比較して、その結果を基に基本金額の補正をします。
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年間返済額=<減価償却費 ・・・ 補正は不要
年間返済額 >減価償却費 ・・・ 補正が必要
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補正後の基本金額は以下の通りです。

【借入金返済の補正:基本金額=(修正前基本金額?(年間返済額?減価償却))÷(1-25%)】
(なお25%は平成29年度の場合の法人税の税率です。)

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※例1
事業所得 500万円・減価償却費 100万円
専従者給与 150万円・青色申告特別控除65万円
年間返済額 90万円の場合
基本所得 (500+65+150)÷1.15=621万円
(年間返済額90万円=<減価償却費100万円のため補正が不要)

※例2
例1の場合で年間返済額が175万円の場合
基本所得 (500+65+150)÷1.15-100※=521万円
※補正 (175-100)÷(1-0.25)=100万円・・・返済の為にあと100万円の利益が必要。
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もう一度、言います。借入金は利益からしか返済できません。

いかがでしょうか。法人成りにメリットがあるかどうか、税金の立場だけで考えると
どうしても社会保険を考えざるを得ません。また借入金の返済も資金繰りを検討する
うえでは極めて重要です。この2つは絶対に無視できない要素ですので、
しっかり押さえておきましょう。

執筆: 阿部尚武税理士事務所 代表 阿部尚武
http://www.abekaikei.com/


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[3] アジア・ビジネス・ミーティング
   「ベトナムの医療環境 ~医療機関、医療機器、医療人材におけるビジネス進出可能性は?~」
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さて・・・。6/12、アジア・ビジネス・ミーティングを開催します。
東南アジアへのビジネス進出支援をサポートしている、
株式会社アジア戦略アドバイザリーの杉田浩一さん
http://j-asa.net/
にご発表をいただきます。ビジネス進出の先行事例などもお話しいただけそうです。
ご発表の後に、質疑応答、意見交換のお時間もございます。
ご参加申込みをお待ちしています!

20170612戦略経営研究会/アジア・ビジネス・ミーティング
テーマ ベトナムの医療環境 ~医療機関、医療機器、医療人材におけるビジネス進出可能性は?~
発表者 杉田浩一さん(株式会社アジア戦略アドバイザリー 代表取締役)
日 時 2017年6月12日(月曜日) 18時50分開場、19時00分開始、20時50分終了
場 所 銀座「ルノアールマイスペース銀座マロニエ通り」 6号室
     地図→ http://goo.gl/3XozoC
参加費 2,500円(ソフトドリンクが付きます)

参加申込
担当(茂木)のメルアド info@sp-senryaku.org まで、
下記の内容を送信してください。

6/12ABMに参加します。
お名前:
所属:
連絡先(メルアド):
懇親会の出欠: 出席/欠席

または、下記のらくらく参加フォームからお申込みください。
「勉強会名」を「6/12ABM」としてください。
(SSL暗号化対応)
https://form.os7.biz/f/4da7401d/

勉強会終了後、懇親会を開催します(費用別途)。



【編集発行】オンライン法務部

オンライン法務部とは http://www.motoffice.jp/olld.index
専門家集団のご紹介 http://www.motoffice.jp/olld.profile.html

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2017年04月20日

【オンライン法務部メールマガジン】2017年4月号/第56号/[インターネットモール運営者と権利侵害に対する責任]

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技術系・ITベンチャーの実務に役立つ法律・知的財産情報
2017年4月号 第56号 [インターネットモール運営者と権利侵害に対する責任」

発行 オンライン法務部 http://www.motoffice.jp/olld.index
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[1] ご挨拶
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もう初夏ですね・・・。今月号は、石下雅樹弁護士からです。

また、5/11木、19時15分〜、竹橋開催の
医療介護人材研究会「在宅医療・居宅介護支援現場の人材育成」
のご案内がございます。
川添高志さん(ケアプロ株式会社 代表取締役)からご発表をいただきます。
ケアプロさんの「セルフ健康チェック」はこんな感じです。2016年1月末時点で、約34万人が利用されたとか。
http://carepro.co.jp/onecoin/

編集/茂木


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[2] インターネットモール運営者と権利侵害に対する責任
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(1)インターネットで「場」を提供する事業者に関する問題点

読者の皆さんの中には、インターネットモール、掲示板といった、他者の販売
活動の「場」や成果物を公表する「場」を提供し、ビジネスにつなげようとする
方もおられるかもしれません。そして、モールに出店された商品や画像が、
他者の特許権や商標権といった権利の侵害と主張される場合があります。
この場合、出店者のみならず、モールの運営者にも責任は生じるのでしょうか。

この点、商標権侵害品のケースで、インターネットモールが、権利者から警告
を受けたのに一定期間に適切に対応しない場合、運営者が責任を負う余地がある
と判断されたケースがあります(知財高裁平成24年2月14日判決。チュッパ
チャップス事件)。他方、特許権侵害品と主張されたケースで、モール(楽天)に
対する差止請求を否定した判決もあります(知財高裁平成27年10月8日判決)。

この点両判決は矛盾するという評価もありえます。他方、特許侵害の有無は判
断が非常に難しく一見して侵害といえるケースは少ない(前記楽天の事件も結論
的には販売製品の特許侵害も否定している)のに対し、商標権侵害は、偽物やコ
ピー品のように侵害判断が比較的容易なケースが少なくないため、モールの運営
者の義務も異なっているのではないか、という根拠づけもあると思われます(筆
者の私見)。いずれにせよ、インターネットモールの運営者としては、権利侵害品
の販売について権利者から警告があった場合には、権利の性質や侵害品(と
主張されるもの)の内容に応じ、放置せず、対処すべきものはきちんと対処する、
というスタンスは重要かと思います。


(2)第三者から侵害の警告・指摘を受けた場合の実務上の対応

では、第三者から権利侵害の指摘や警告を受けた場合を念頭に、運営者がどん
な対応ができるか、以下、事前に行えることと、事が起きた際に行うべきことに
ついて、若干の例を考えます。

ア)事前の規約等の整備

まずは、自社のリスク軽減と、有事の際の対応を可能とするという観点から、
以下のような内容のうち、効果的・現実的と思うものを利用規約等において整備
することが考えられます。

i 自社商品が第三者の権利を侵害していないことを出店者が保証する旨
の規定
ii 運営者から請求を受けた場合、出店者が自社商品の権利侵害調査を行い、
運営者に調査結果を書面で報告する義務を負う旨の規定
iii 出店者の調査義務とは別に、運営者自ら出店者の商品の権利侵害調査を
行う権限を有する旨、その結果、運営者が、自己の裁量と判断で、出店
者ページや対象商品のページを削除し、又は表示の一時停止をする権限
を有する旨の規定
iv 出店者からの報告や運営者の調査の結果、侵害の疑いが拭えない場合、
この点が解決されるまで、運営者が自己の裁量と判断で、出店者ページ
や対象商品の表示の一時停止をする権限を有する旨の規定
v 運営者が紛争に巻き込まれた場合、運営者が出店者に対して、調査や
対応に要したコスト・支払った賠償について求償でき、出店者が補償
する旨の規定

イ)実際の警告・指摘があった場合の対応

先に触れたとおり、権利侵害の指摘を受けた場合、モールや掲示板等の運営者
は、権利の性質によっては、侵害を知ってから「合理的期間内」に、つまり迅速
に対応することが必要となる、と判断されることがあります。この点前述の商標権
侵害のようなケースでは、上のような対応は必要ではないかと考えられます。
他方、特許侵害の主張や、不正競争防止法違反の主張というケースでは、
微妙なケースも多数あり、判断は困難をきわめます。では、運営者としては
どのように動くべきでしょうか。

これについては、残念ながらすべてのケースに当てはまる最適解を一つに絞る
ことは難しいと思われますのが、以下のような選択肢を踏まえ検討すると有益か
もしれません。

(i) 侵害が確定するまではそのまま出店者による販売を許す。
(ii) 一見して侵害と分かる製品以外は、そのまま出店者による販売を許す。
(iii) 出店者から非侵害の旨の合理的な説明があれば、そのまま出店者に
よる販売を許す。そうでない場合、侵害の有無が解決されるまで、掲載
を停止する。
(iv) 出店者によって、非侵害の旨の弁護士や弁理士の合理的内容の意見
書が提出された場合のみ、そのまま出店者による販売を許す。それ以外
の場合、侵害の有無が解決されるまで、掲載を停止する。
(v) 一見して侵害ではないと分かる製品以外は、侵害の有無が解決され
るまで、掲載を停止する。
(vi) 侵害の有無が解決されるまで、一律掲載を停止する。

以上の選択肢のどれがベストかは、現時点では様々な見解がありえます。しか
し、モールのポリシー、法的リスク、コンプライアンスに対する姿勢、運用のし
やすさ、コスト等を踏まえた経営判断のうえ会社としてのスタンスを決めること
は、場当たり的な対応を避けられるという意味で運用上も望ましいかもしれませ
ん。

執筆:弁護士・弁理士 石下雅樹)
http://www.ishioroshi.com/


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[3] 医療介護人材研究会「在宅医療・居宅介護支援現場の人材育成」
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さて・・・。5/11、医療介護人材研究会を開催します!

今回は、ワンコイン健診や訪問看護などヘルスケアベンチャーの雄「ケアプロ」を率いる川添高志さんより、
在宅医療・居宅介護支援の現場で新卒の看護師を即戦力とするノウハウを中心にご発表をいただきます。
ご発表の後、質疑応答の時間もございます。

人材の採用、育成につながるお話しです。ご参加申込みをお待ちしています!


20170511医療介護人材研究会
テーマ 在宅医療・居宅介護支援現場の人材育成
発表者 川添高志さん(ケアプロ株式会社 代表取締役)
http://carepro.co.jp/
共催 健康産業イノベーション連盟
日時 5月11日(木曜日) 19:00受付開始 19:15研究会開始 20:50終了
会場 竹橋「ちよだプラットフォームスクウェア」
地図→ http://www.yamori.jp/access/?id=10
会費 社会人2000円、学生1000円

参加申込
担当(茂木)のメルアド info@sp-senryaku.org まで、
下記の内容を送信してください。

5/11医療介護人材研に参加します。
お名前:
所属:
連絡先(メルアド):
懇親会の出欠: 出席/欠席

または、下記のらくらく参加フォームからお申込みください。
「勉強会名」を「5/11医療介護人材研」としてください。
(SSL暗号化対応)
https://form.os7.biz/f/4da7401d/

勉強会終了後、懇親会を開催します(費用別途)。



【編集発行】オンライン法務部

オンライン法務部とは http://www.motoffice.jp/olld.index
専門家集団のご紹介 http://www.motoffice.jp/olld.profile.html


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2017年03月17日

【オンライン法務部メールマガジン】2017年3月号/第55号/[2016年4月1日に施行された改正「障害者雇用促進法」]

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技術系・ITベンチャーの実務に役立つ法律・知的財産情報
2017年3月号 第55号 [2016年4月1日に施行された改正「障害者雇用促進法」

発行 オンライン法務部 http://www.motoffice.jp/olld.index
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[1] ご挨拶
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花粉まだまだでしょうか・・・。今月号は、山本喜一社会保険労務士からです。

また、4/15土、15時30分〜、竹橋開催の
xTech研究会「人工知能(AI)とxTechとの関係 〜国内外の先端事例と未来予測から考える〜」のご案内がございます。
農業や医療の分野だけでなく、リーガルな分野への展開も注目されています!

編集/茂木


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[2] 2016年4月1日に施行された改正「障害者雇用促進法」
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2016年4月1日に施行された改正「障害者雇用促進法」(正式名称:障害者の雇用の促進等に関する法律)についてご説明いたします。

1. 障害者雇用促進法の対象となる障害者
この法律における障害者とは、「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害含む)、その他の心身の機能障害により、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、または職業生活を営むことが著しく困難な者」となります。2013年の障害者雇用促進法改正により、障害者基本法の障害者の定義と整合性や対象の明確化のため、「発達障害」と 「その他心身の機能の障害」が明記されました。

後ほどご説明をする「障害者雇用促進法の対象となる障害者」と「障害者雇用率の対象となる障害者」は違うということを理解しておく必要があります。

2. 障害者雇用における企業の義務
○差別的な取扱いの禁止
雇用に関するあらゆる場面(募集、採用、賃金、配置、昇進、教育訓練など)で、障害者であることを理由として、対象外としたり、不利な条件を設けたり、健常者を優先させたりすることは、障害者であることを理由とする差別に該当し、禁止されています。

○合理的配慮の提供義務
合理的配慮とは、募集及び採用時においては、障害者と障害者ではない者との均等な機会を確保するための措置をいい、採用後においては、障害者と障害者でない者の均等な待遇の確保または障害者の能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するための措置のことをいいます。

・過重な負担
募集、採用時、採用後のいずれの場合も、障害者雇用促進法の条文の中に「事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときは、この限りでない。」という記述があり、過重な負担となる場合は、当該合理的配慮を提供する義務を負わないが、過重な負担にならない範囲での 合理的配慮を講じることは必要です。
過重な負担とは具体的にどのような状態をいうのかについては、詳細な定めはなく「合理的配慮指針第5の1」に記載されている6つの要素を総合的に勘案し、個別に判断することとなっています。6つの要素とは、@事業活動への影響の程度、A実現困難度、B費用負担の程度、C企業の規模、D企業の債務状況、E公的支援の有無です。一般的に考えれば、中小企業では、公的支援や自社での可能な限りの合理的配慮を講じることが求められ、大企業ではより費用のかかる合理的配慮を講じることが求められるということになるでしょう。

○苦情処理・紛争解決援助
企業内紛争に関して、基本的に自主的解決を優先し、解決不能な場合に外部の紛争解決手段を活用するという考えです。

3. 障害者雇用率制度
国は、身体障害者及び知的障害者について、一般労働者と同じ水準において常用労働者となり得る機会を与えることとし、常用労働者の数に対する割合(障害者雇用率)を設定し、事業主等に障害者雇用率達成義務を課しています。平成30年4月から精神障害者も雇用義務の対象となる。現在はみなし雇用として、精神障害者を雇用した場合、企業の障害者雇用率にカウントできることとなっています。また平成30年4月に精神障害者が雇用義務となったときに法定雇用率が引き上げられる予定ですが、突然に引き上げられることにより企業が対応できないことが考えられるため経過措置がとられることとなる予定です。現在、一般の民間企業の障害者雇用率は2.0%であるので、50人以上の企業は障害者を雇用する義務があります(端数切り捨て)。

○障害者雇用率の対象となる障害者
企業の担当者が理解しておくべきこととして、差別的な取扱いの禁止、合理的配慮などは「障害者雇用促進法の対象となる障害者」のすべてが対象となりますが、「障害者雇用率の対象となる障害者」は基本的に障害者手帳を持つ者です。つまり障害者を雇用したとしても障害者雇用率の算定対象とならないことがあるということを理解しておく必要があります。

身体障害者:身体障害者手帳
知的障害者:療育手帳、知的障害者判定機関の判定書
精神障害者:精神障害者保健福祉手帳

障害者雇用率の計算には、短時間労働の場合と、そうでない場合でカウントの方法が異なります。また身体障害者及び知的障害者について、障害の程度が「重度」の場合、2倍で計算することとなっています。

○カウント方法
労働時間 30時間以上 20時間-30時間
身体、知的     1 0.5
(下段:重度)   2 1
精神       1 0.5

○除外率制度
一般的に障害者の就業が困難であると認められる職種について、算定する常用労働者数から控除する除外率が定められています。除外率制度は、平成16年4月に廃止されたましたが、経過措置として、除外率設定業種ごとに除外率を設定し、廃止の方向で段階的に除外率を引き下げ、縮小することとされています。


執筆: 社会保険労務士法人日本人事 代表社員 山本喜一
     http://www.sr-jhr.com/


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[3] 4/15、xTech研究会
   「人工知能(AI)とxTechとの関係 〜国内外の先端事例と未来予測から考える〜」

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さて・・・。4/15土、AI研究会を開催します!
NTTデータ経営研究所の神田武さんに、
https://www.keieiken.co.jp/services/consultants/kanda_t.html
「人工知能(AI)とxTechとの関係 〜国内外の先端事例と未来予測から考える〜」
のご発表をいただきます!
農業や医療の分野への展開も注目されています!
ご参加申込みをお待ちしています!

20170415 xTech研究会
「人工知能(AI)とxTechとの関係 〜国内外の先端事例と未来予測から考える〜」
発表者 神田武さん(NTTデータ経営研究所マネージャー)
日 時 2017年4月15日(土曜日) (受付開始15:15) 開始15:30 終了17:30
会 場 竹橋/ちよだプラットフォームスクウェア 5階 503会議室
     http://www.yamori.jp/access/
会 費 2,000円

参加申込
担当(茂木)のメルアド info@sp-senryaku.org まで、
下記の内容を送信してください。

4/15 xTech研究会に参加します。
お名前:
所属:
連絡先(メルアド):
懇親会の出欠: 出席/欠席

または、下記のらくらく参加フォームからお申込みください。
「勉強会名」を「4/15 xTech研究会」としてください。
(SSL暗号化対応)
https://form.os7.biz/f/4da7401d/

勉強会終了後、懇親会を開催します(費用別途)。



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