2019年07月20日

【オンライン法務部メールマガジン】2019年7月号/第83号/[1人株主、1人取締役でカンタンに株式会社を作る方法]

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技術系・ITベンチャーの実務に役立つ法律・知的財産情報
2019年7月号 第83号 [1人株主、1人取締役でカンタンに株式会社を作る方法]

発行 オンライン法務部 http://www.motoffice.jp/olld.index
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[1] ご挨拶
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夏、来ないですね・・・。

今月号は、茂木正光司法書士からです。

編集/茂木


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[2] 1人株主、1人取締役でカンタンに株式会社を作る方法
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1人株主、1人取締役でカンタンに株式会社を作るためには、
@商号(社名)・目的(事業内容)・本店(所在地)・資本金の額(1円から)
 ・決算期などを決める
A定款を作成し、公証役場で認証
B資本金を株主個人の口座に入金または振込して、通帳のコピーをとる
C株式会社登記申請書、取締役の就任承諾書や資本金の払込み証明書などを作成、押印
D法務局に株式会社設立登記申請
となります。

上記@からDについて「あるある」の注意点を下記します。

@商号については同一住所に同一商号はないかを確認します。該当することは
なかなかないですが、同一市区町村に同一の商号があるのは「ちょっと・・・」
と思うかもしれません。
そういうときは、次の国税庁のサイトで検索をすることができます。

国税庁法人番号公表サイト
https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/

なお、商号が決まりましたら、ハンコ屋に「法人実印」の作成を依頼します。
ネットで検索しますと、送料込みで3,000円ぐらいで作成してくれるハンコ屋
もあります。

目的とは事業内容のことです。会社設立時に行う事業内容だけとシンプルにすること
もできますし、「もしかすると先々、こういう事業も行うかも?」という場合、
想定される事業を入れておくこともできます。

A@の内容が決まったら、定款を作成します。株式会社の憲法にあたります。
これがないと株式会社を作ることができません。
定款の記載例は次の日本公証人連合会のサイトにあります。今回の場合ですと、
「中小会社1 小規模会社T(株式非公開、取締役1名、監査役非設置、会計参与非設置)」
が該当します。

日本公証人連合会/定款等記載例
http://www.koshonin.gr.jp/format

定款を作成したら、印鑑証明書や運転免許証を持って、公証役場に行きます。
公証役場では定款の認証を行います。これにより、定款は法律上有効になります。
この認証の前に、公証役場に定款案の事前確認をしてもらいます。
最近、この作業にひと手間加わりました。「実質的支配者の申告」です。
今回の場合ですと、会社設立時の株主(発起人といいます)について、
暴力団員やテロリストなどでないことを申告し、公証役場で定款認証前に確認
してもらうことになります。

なお、公証役場に行かなくても、テレビ電話方式により定款認証をすることが
できるようになりました。ただし、電子署名がないとできません。たとえば、
マイナンバーカードがあれば電子署名ができますが、カードリーダーやPDFに
電子署名を行うアプリケーションが必要です。

B@にて決めて、定款に金額を記載した資本金を株主個人の口座に入金または
振り込みます。なんだか違和感ありますが、法務局からの指示です。残高が資本金
を超えているので入金または振込みは行わないというのはNGです。この口座の
通帳の「表紙」、「2ページ目口座情報部分」、「資本金の入金または振込み記載
部分」のコピーをとります。

この入金または振込みはネット銀行でも大丈夫です。この場合、銀行名、支店名、
口座番号、口座名義、資本金の入金または振込みの記載部分をプリントアウトします。

C株式会社登記申請書、取締役の就任承諾書や資本金の払込み証明書などを作成します。

それぞれ様式は、次の法務局/商業・法人登記の申請書様式のサイトにあります。
今回の場合ですと、「1-3 株式会社設立登記申請書(取締役会を設置しない会社の
発起設立)」が該当します。

法務局/商業・法人登記の申請書様式
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html#anchor1-1

DCの書類を作成し押印しましたら、それらの書類を持って、本店の所在地を管轄する
法務局に株式会社設立登記申請を行います。原則として、登記申請の受付日の翌日から
起算して、法務局の3執務日目までに完了します。完了しますと、株式会社の登記事項
証明書や印鑑証明書などが発行されます。

なお、株式会社の登記事項証明書などを持って、銀行に行くと、会社の口座を開設する
ことができます。とはいえ最近、銀行によっては口座開設についてNGとするところも
少なくありません。事前の確認が大切です。

さて・・・。上記の費用ですが、公証役場に支払う定款認証の費用が約92,000円
(収入印紙代40,000円を含みます)、法務局に支払う株式会社設立登記申請の登録免許税が
150,000円です。それぞれ手続きの際に支払う必要があります。

ちなみに、収入印紙代40,000円がかからない場合もあります。電子署名を持っており、
定款を電子化できればです(PDF化して電子署名をする)。とはいえ、電子署名を行うには
コストかかりますね。こういう場合、司法書士は電子署名を持っていて、定款の電子化
できますので収入印紙は不要になります。司法書士の報酬は40,000円+10,000円ぐらい
というところもあります。司法書士に株式会社設立登記手続きを依頼したほうが、
株式会社をさらにラクラク、サクサクつくることができます。

執筆: 行政書士/司法書士 茂木正光
http://www.motoffice.jp/



【編集発行】オンライン法務部

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2019年06月21日

【オンライン法務部メールマガジン】2019年6月号/第82号/[中国での専利(特許、実用新案及び意匠)事情]

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技術系・ITベンチャーの実務に役立つ法律・知的財産情報
2019年6月号 第82号 [中国での専利(特許、実用新案及び意匠)事情]
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[1] ご挨拶
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梅雨っぽいですね・・・。

今月号は、廣瀬隆行弁理士からです。

編集/茂木


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[2] 中国での専利(特許、実用新案及び意匠)事情
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1.はじめに
 世界から注目されている中国。知的財産の分野でも中国は注目されています。
「中国は知的財産権を無視している」といったお話しをよく耳にしますが、実態は
どうなのでしょう。

2.中国の出願件数
 特許庁の統計データによれば、2016年の中国への特許出願件数は約134万件であり、

米国の約61万件や、日本の約32万件を大きく超えて、世界第1位です。また、中国では、

我が国と異なり実用新案登録出願も特許出願とほぼ同程度出願されています。発明や
考案に関し、中国は、多量の出願がなされていることが分かります。
 なお、2016年の日本や米国から中国への出願がそれぞれ約4万件であるのに対し、
中国から日本への出願は約4000件となっています。日本企業は頑張って中国へ出願
しているのですが、中国企業はそれほど日本で権利化を考えていないことが分かります。


3.知財関連訴訟について
 例えば、2017年における中国での知財訴訟件数は、約20万件であり、専利(特許、
実用新案及び意匠)に限っても約1万6000件の侵害訴訟が提起されています。一方、
我が国の知財訴訟の件数は、毎年数百件程度です。
 中国では、急速に、知的財産に関する訴訟リスクが高まっていることが分かります。この
現実をみると、「中国は知的財産権を無視しているなどとは到底言えません。
 中国での侵害訴訟における損害賠償の認定額も従来は低額なものが多かったのですが、

近年は高額な損害賠償額が認定されるケースが散見されます。その中には、日本企業
に対して比較的高額な損害賠償の支払いを命じる事件もありました。中国での知的財産

リスクが高まっているといえるでしょう。また、中国での知的財産の価値も高まっていると
いえます。

4.中国の実用新案の特徴
 日本では、実用新案登録出願の件数が急激に減りました。それは、警告や訴訟提起
には、実用新案技術評価書が必須であること、警告などが空振りに終わった場合(実用

新案登録が無効になったり、対象製品などが侵害しないことが明らかになった場合)に、

実用新案権者がかえって損害賠償を負う可能性があることが、その理由です。
 一方、中国では、特許と実用新案の同日出願が認められており、実用新案権が満了
する前に特許に切り替えることで、シームレスに保護を続けることができます。日本に

おける評価書の提示義務や、損害賠償責任に関する規定はありません。また、実用新案権
も特許権と同様の保護を受けられるにもかかわらず、中国では、実用新案に要求される

進歩性は、特許に対して要求される進歩性より低いのです(例えば、実用新案に対しては
1つまたは2つの引用文献に基づいて進歩性が判断されます。特許では、複数の引用文献
に基づいて進歩性が判断されます)。このような背景から、中国では多くの実用新案が

出願及び登録されています。

5.中国に対してどのような知的財産戦略をすべきか
 上記の通り、確かに中国での出願や訴訟が増えており、損害賠償も高くなってきています。
このような背景を受け、日本企業は多数の特許出願を中国に出願するようになってきました。
 ですが、中国出願を活用できている日本企業は、それほど多くないようにも思えます。

中国への出願は、中国語への翻訳料を含め費用が掛かりますので、費用対効果や、
それぞれの出願の意図をよく考えて、出願することが望ましいといえます。

執筆: 廣瀬国際特許事務所 代表
弁理士 廣瀬隆行
URL http://www.hirosepatent.jp/




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2019年05月16日

【オンライン法務部メールマガジン】2019年5月号/第81号/[わかりやすくなった【所得拡大促進税制】とは?!]

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2019年5月号 第81号 [わかりやすくなった【所得拡大促進税制】とは?!]
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[1] ご挨拶
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初夏ですね・・・。

今月号は、阿部尚武税理士からです。

編集/茂木


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[2] わかりやすくなった【所得拡大促進税制】とは?!
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さて今回ご紹介するのは、新しくなった【所得拡大促進税制】です。
平成25年度から始まったこの制度は、以下の要件を満たす場合に、前期から増加した
人件費の10%(特定の要件を満たす場合には22%)を納税額から控除する制度です。
企業はもちろん、個人事業者にも適用があります。この制度の適用要件が変わり、
さらに税額控除の上乗せができるようになりました。

1.要件の変更
※所得拡大促進税制の要件(今まで)
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1.基準年度と比較して給与が増加
2.前期と比較して給与が増加
3.前期と比較し一人当たりの月額給与が増加
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上記要件が以下の通りとなります。

※所得拡大促進税制の要件
(平成30年4月以降開始事業年度より)
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1.(なし)
2.前期と比較して給与が1.5%増加
3.前期と比較し一人当たりの年額給与が増加
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実は、3の「一人当たり給与」の対象者も変わりました。
今までの対象者の条件は以下の通りです。

※「一人当たり給与」の対象者
(すべての要件に該当する者)
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1.前期・当期に給与をもらっている者
2.65歳以上の再雇用されている者以外の者
3.週20時間以上働いている者
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1ですが、前期に中途入社した場合や当期に中途退職した者も含まれます。
これが平成30年の税制改正で、以下のように変更となります。

※「一人当たり給与」の対象者
(すべての要件に該当する者)
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1.前期首から当期末まで在職している者
2.65歳以上の再雇用されている者以外の者
3.雇用保険の適用対象者
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これまでは、中途入社した者や退職者の給与を考慮していたのですが、これからは
前期首から当期末まで在籍している者のみで判定します。ちょっと分かりづらいのですが、
要は前期・当期に中途入社または退職者でない者の給与が上がれば適用できる
ことになります。ですので、従業員の入退社が激しくて平均給与が上がらない企業
には朗報です。
また、雇用保険に実際加入している者のみがこの比較対象者となりました。
ですので、 2年以上の在籍者の給与が1.5%あがれば適用できます。例えば、年収
300万円の場合は年収304.5万円となれば適用できます。
さらに、2年以上勤めている従業員がいない会社には適用がありません。ここもポイント
かもしれません。従業員が入社したばかりの場合、入社3年目の決算から適用が
受けられます。

2.税額控除
税額控除は控除額が10%から15%に増加しています。さらに以下の要件を満たして
いる企業は10%の上乗せ措置があります。通常の15%と合わせると最大25%の
税額控除が認められます。

※上乗せ要件(次のいずれかを満たす)
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1.教育訓練費が前期より10%増加し、「一人当たり給与」が2.5%増加していること
2.経営力向上計画の認定を受け、その後、経営力向上報告書を提出すること
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上乗せを目指すために従業員の給与を増やし、かつ教育訓練費を増やす目標を立てる
と良いかと思います。

いかがでしょうか。判定の基準がかなり異なることになるので、一概に良くなったか悪く
なったかは言えませんが、長く務める従業員の待遇を良くしていくことで、税額控除
が受けられると考えれば、事業発展のため従業員のモチベーションを上げるきっかけ
づくりが出来るかもしれません。

執筆: 阿部尚武税理士事務所 代表 阿部尚武
http://www.abekaikei.com/




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