2017年01月22日

【オンライン法務部メールマガジン】2017年1月号/第53号/[登記手続における外国人の関連事項について]

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技術系・ITベンチャーの実務に役立つ法律・知的財産情報
2017年1月号 第53号 [登記手続における外国人の関連事項について]

発行 オンライン法務部 http://www.motoffice.jp/olld.index
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[1] ご挨拶
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寒波続きますね・・・。今月号は、松田敏明司法書士からです。

また、2/22水、19時~、竹橋開催の
医療ビジネス研究会「新宿駅前クリニックのプロモーション戦略」
のご案内がございます。

編集/茂木


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[2] 登記手続における外国人の関連事項について
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1.総論
 技術系・ITベンチャー企業においては、海外から出資を受けたり、それに伴い
外国人が会社の経営に関わってくる機会もあるかと思います。そのようなケースを踏まえ、
登記実務の中での取扱いや、直近の改正点などをまとめてみます。

2.代表取締役の全員が日本に住所がない場合の登記申請について
 株式会社の登記の申請は、原則として会社の代表者がするものとされており、
通常は代表取締役が行うことになります。そして、代表取締役のうち少なくとも1名は
日本に住所がなければ、登記が受理されないという取扱いがされてきましたが、
その取扱いが変更され、代表取締役全員が日本に住所がない会社も認められる
ようになりました。
 形式的には外国在住の外国人が代表取締役となって日本国内で株式会社を
設立することができるようになり、また、海外から出資を受けた株式会社が、
その外国人又は外国法人の代表者を唯一の代表取締役とすることも可能になった
ということです。

3.出資に際しての払込みについて
 発起設立により株式会社を設立する場合、発起人は原則として出資金の全額を
発起人が定めた払込取扱機関に払込みをすることになっています。その払込取扱機関
には,(1)銀行(銀行法に規定される一般的な国内銀行)、(2)信託会社、
(3)商工組合中央金庫、(4)農業協同組合・漁業協同組合・水産加工業協同組合、
(5)信用金庫、(6)労働金庫、(7)農林中央金庫などが当てはまりますが、銀行業の
免許を受けた外国銀行の日本にある支店のほか、(1)の銀行が内閣総理大臣の
認可を受けて設置した外国にある支店も含まれます。
 また、増資(募集株式発行)において、外貨建てで払込金額を定め、国内銀行の
外貨建て口座もしくは外国銀行の日本にある支店の外貨建て口座に出資金の払込みを
受けることも可能で、その場合には、払込期日として定められた日の為替相場を基に
円換算して増資後の資本金が決まってきます。

4.登記申請をする外国人の署名(サイン)証明書について
 登記の申請書に押印すべき者は、あらかじめ印鑑(会社代表印)を登記所に提出
する必要があり、その場合、所定の印鑑届書で印鑑の登録(届出)を行います。
その印鑑届書に押印した印鑑(個人の実印)についての印鑑証明書を添付するのが
原則であるところ、外国人(日本に国籍がない者)については、印鑑を持たないことも
あるため、印鑑届書に署名をして、その署名についての署名証明書で代用することが
認められています。そして、その署名証明書は、その外国人の本国官憲(日本における
領事その他権限がある官憲を含む)の作成したもののほか、その外国人が居住する国等
に所在するその外国人の本国官憲が作成したものでもよいことになりました。なお、
外国人は印鑑登録の義務はなく、印鑑登録をしていない外国人が登記の申請をす
る場合には、登記の申請書又は委任状の署名についての署名証明書を添付する
取扱いになっています。
 また、外国人の本国の法制上の理由等の真にやむを得ない事情によって署名証明書
を取得することができないときは、署名証明書を取得することができない旨の上申書及び
日本の公証人又はその外国人が居住している国の官憲の作成した署名証明書で代用
することも可能とされています。

執筆: 司法書士 松田敏明


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[3] 2/22、医療ビジネス研究会「新宿駅前クリニックのプロモーション戦略」

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さて・・・。年間10万人の外来実績のある新宿駅前クリニック院長の蓮池林太郎さんから、
http://www.shinjyuku-ekimae-clinic.info/
インターネットマーケティングの徹底による集患についてご発表をいただきます。
クリニック以外のビジネスにおいても、スマホ時代のプロモーション戦略が見えてきます。
ご発表の後、質疑応答、意見交換のお時間がございます。

20170222医療ビジネス研究会
テーマ 「新宿駅前クリニックのプロモーション戦略 ~インターネットマーケティングによる集患~」
発表者 蓮池林太郎さん(医療法人社団SEC 新宿駅前クリニック 院長)
日時 2月22日(水曜日) 18:45受付開始 19:00研究会開始 21:00終了
会場 竹橋「ちよだプラットフォームスクウェア」 地下1階 ミーティングルーム003、004
    地図→ http://www.yamori.jp/access/?id=10
会費 2,000円

参加申込
担当(茂木)のメルアド info@… まで、
下記の内容を送信してください。

2/22医療ビジネス研に参加します。
お名前:
所属:
連絡先(メルアド):
懇親会の出欠: 出席/欠席

または、下記のらくらく参加フォームからお申込みください。
「勉強会名」を「2/22医療ビジネス研」としてください。
(SSL暗号化対応)
https://form.os7.biz/f/4da7401d/

勉強会終了後、懇親会を開催します(費用別途)。




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2016年12月15日

【オンライン法務部メールマガジン】2016年12月号/第52号/[知財DD(デューディリジェンス)]

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技術系・ITベンチャーの実務に役立つ法律・知的財産情報
2016年12月号 第52号 [知財DD(デューディリジェンス)]

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[1] ご挨拶
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今年の師走は冷えますね・・・。今月号は、廣瀬隆行弁理士からです。

ちなみに・・・。先日、大阪/西三国にあります、
若手八百屋「パリワール」さんに農ラジ!の取材に行ってきました!
http://m-motegi.at.webry.info/201612/article_6.html

編集/茂木


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[2] 知財DD(デューディリジェンス)
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1.知財DD
投資や上場前に様々な審査がなされます。
当所では、様々なお客様から、投資や上場前の知財DDのご依頼を受けますので、
知財DDについて簡単に説明します。知財DDの準備を行うことは、御社の企業価値を
高めることにもつながると考えられます。

2.主な調査条項
投資前の知財DDの内容は、投資の規模や投資先の状況によっても変動します。
知財DDの主な項目は、以下のとおりです。

(1)商標調査
せっかく投資を行っても、他人から商標権侵害であるとして警告等を受けると、
会社の名称(商号)を変える必要が生じるといった事態が生じます。そこで、
会社の名称や商品名について、商標権が取得されているか、又他人の商標権を
侵害していないかを調査します。少なくとも会社の名称や主要商品については、
商標権を取得しておくことが望ましいといえます。

(2)FTO(freedom to operate)調査
現在製造・販売製品や製造方法だけでなく、将来的に製造する予定の製品や
その製造方法が、他人の特許権を侵害するものかどうか調査します。せっかく投資を
行って製品が多く販売等されるようになっても、特許権を侵害すると回収や損害賠償
をする必要が生ずるからです。また、問題となる他社特許については、無効理由が
あることを検討しているかどうかも調査します。主要製品や開発予定の技術内容に
ついては、検索式を決めておいて、定期的に他社特許を調査することが望ましいといえます。

(3)パテントポートフォリオチェック
企業が既に特許出願を行っている場合、それぞれどの国に出願しているか、
状況はどのようなものか調査します。また、それぞれの出願の意義(例:主要製品を
カバーする基本特許、他社の牽制)について調査を行います。他社へ実施許諾
(ライセンス)している案件については、ライセンスの内容についても調査します。
既に出願した特許については、どのような目的で出願したか、その状況はどのような
ものか整理しておくことが望ましいといえます。

(4)他社の侵害の状況
上記の(5)とも関連しますが、他社の製品を分析し、既に取得した特許権を他社が侵害
しているかどうか検討しているかを調査します。せっかく特許権を取得しても、
他社が侵害していないか検討していないのでは、費用の無駄といえます。

(5)他社特許動向と企業の強み分析
パテントマップを作製するなどして、他社技術の分析を行うとともに、特許情報から見た
対象企業のSWOT分析を行います。

(6)契約チェック
共同研究開発契約や実施許諾契約などを精査すると、開発を進めても成果を
他社にもっていかれるという場合や、製品を販売し始めるときわめて高いロイヤルティ
を支払う必要がある場合、せっかく開発した技術を勝手にライセンスできるように
なっている場合など、事業を進めるための障害となる契約が締結されている場合があります。
契約書を締結する際は、弁護士に相談するなど、慎重に行う必要があるといえます。

(7)職務発明規定チェック
職務発明規定が整備されていないと、研究開発の成果である発明が企業ではなく
個人のものになるおそれがあります。このため、職務発明規定が整備されているか、
発明が企業の帰属になるような体制が整っているか、調査します。

(8)知的財産戦略
これまで説明したことと重複しますが、知財DDでは、対象企業がどのような考え
で知的財産戦略を行っているか調査します。

(9)営業秘密の管理体制
従業員の就業規則や、ラボノートのルールなど、営業秘密が漏えいしないように、
どのような対策を行っているか調査します。


執筆: 廣瀬国際特許事務所 代表
弁理士 廣瀬隆行
URL http://www.hirosepatent.jp/


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2016年11月19日

【オンライン法務部メールマガジン】2016年11月号/第51号/[事業承継をする上で重要な株式移転]

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技術系・ITベンチャーの実務に役立つ法律・知的財産情報
2016年11月号 第51号 [事業承継をする上で重要な株式移転]

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[1] ご挨拶
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今年の秋、まだまだ暖かいですね・・・。今月号は、阿部尚武税理士からです。

編集/茂木


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[2] 事業承継をする上で重要な株式移転
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さて今回は、事業承継をする上で重要な、株式移転の概要をお話させていただきます。


事業承継は、後継者が先代の経営者から事業を引き継ぎ、引き続き事業を
発展継続させていくことです。事業承継には今後の方針の決定や後継者の育成など、
どれも時間がかかる問題が多いといわれています。事業承継については多くの事項を
検討し、十分な時間をかけて、慎重にかつ有効に進めていく必要があります。

その検討事項の中で、【所有の承継】という問題があります。所有の承継とは、
事業承継予定者に対して、その事業を含む企業、つまり株式の移転を円満に、
かつコスト(納税)を抑えて移転するかどうかが問題となります。ここでは事業承継のうち、
特に所有の承継〜株式の移転についてご紹介します。

まず、株式の移転を検討する際には、後継者が親族であるか否かで取られる手法が
変わります。中小企業庁の調査によると、20年前は後継者の65%が親族であった
のに対し現在は40%強程度となっています。逆に親族外の後継者は同35%であった


のが、現在では50%以上となっており、親族外の事業承継はもはや例外ではないこと


を示しています。

また親族と親族外とでは、株式移転の方法も異なってきます。親族に承継させる場合、


コストはなるべくかからない方法を選びますので、買収資金が必要ない相続・贈与の
方法を検討します。よって節税対策及び納税資金の準備が重要になります。

他方、親族外への承継は買収資金が重要です。企業が買収する場合は別として、
例えば従業員へ譲受する場合などは、いかに買収資金を用意するかが鍵となります。
また買収資金は高額である場合が多いので、節税対策も重要な要素となります。

※後継者別に見る株式移転方法
1.親族の場合
@ 相続
A 贈与
B 後継者による譲り受け
C 買収(M&A)

2.親族外の場合
@ 贈与
A 後継者による譲り受け
B 買収(M&A)

なお、譲受とM&Aの違いは、対価を支払う点は同じですが、承継後の経営者を
先代が指名する点が異なります。買収の場合は、事業を買収する企業が経営者を
指名します。ですので、事業譲渡後の先代の関与が薄くなる、もしくは無くなることが


特徴です。また婿養子や養子縁組など、第三者であっても親族的な事業承継の手法
もよくみられます。

株式移転方法の特徴について、後継者が親族である場合と親族外である場合を
比較しながら見てみましょう。

※後継者別に見る株式移転方法
1. 相続
親族向け、親族外はできません。養子縁組をすれば親族外でも可能。非後継者との
調整が課題です。

2. 贈与
親族、親族外でも可能。高額の納税資金が必要。また税制適格であれば親族外でも
納税猶予の適用可能です。

3. 譲受
親族、親族外でも可能。譲渡価額が高額の場合は資金調達を同時に考える必要が
あり、譲受資金の確保が課題となります。

4. 買収
親族、親族外でも可能。先代の威光が届きにくくなることが特徴です。また買収は
第三者が多く絡んでくるため時間がかかる場合があり、一定以上の売却価額でないと
買収そのものが進まない場合があります。
親族でも可能な手法ですが、その場合敵対的もしくは救済的な買収になることが
多いようです。

また、どの方法によっても課税の問題は必ず発生することも忘れてはいけないポイントです。
相続・贈与の場合は後継者に課税が発生しますが、事業譲受・買収は先代に課税が発生します。

相続・贈与に関しては課税の問題もありますが、相続そのものにも問題が生じます。
それは、後継者と非後継者との間の相続分の問題です。特に遺留分の問題については、


民法の特例としての法制度や金庫株等の制度が整備されていますので、これらの制度と


合わせて検討を進めていきます。

他方事業譲受及び買収は、原則として第三者と金銭にて解決を図りますので、親族間の


トラブルは回避できます。また、課税関係は原則として先代に生じますが、株式の譲渡


だけでなく退職金制度や取締役等に残り、会長職として給与を得る方法などと合わせて、


税負担の問題と買収価額の資金調達の問題を解決していきます。


執筆: 阿部尚武税理士事務所 代表 阿部尚武
http://www.abekaikei.com/


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