2017年12月21日

【オンライン法務部メールマガジン】2017年12月号/第64号/[職務発明規定]

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技術系・ITベンチャーの実務に役立つ法律・知的財産情報
2017年12月号 第64号 [職務発明規定]

発行 オンライン法務部 http://www.motoffice.jp/olld.index
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[1] ご挨拶
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年の瀬、迫ってきましたね・・・。
今月号は、廣瀬隆行弁理士からです。

と・・・。2/3土、14:00〜、竹橋にて、
「外国人労働者と日本の産業 〜専門人材と技能実習生〜」研究会、
開催のご案内もございます!

末尾のお知らせコーナーにはメルマガ読者特典として、
オンライン法務部メンバーによる無料相談のお知らせもあります。
あわせて、ぜひご覧ください。

編集/茂木


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[2] 職務発明規定
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1 職務発明規定
企業は、従業者の入社時等に”職務発明については、発明時に、会社が特許を受ける権利を取得する”という内容の契約を結びます。この契約は、職務発明でれば適法であると解釈されています。そして、そのような契約がある場合、特許を受ける権利は、はじめから使用者等に帰属することとされています(特35条3項)。つまり、上記の契約が存在する場合、職務発明については、企業等のみが特許出願を行うことができ、発明者が特許出願をしたとしても、拒絶され(特49条7号)、誤って特許されても、無効(特123条1項6号)とされることとなります。

一方、発明者の発明創作へのインセンティブを確保するものが、企業等から従業者等へ 支払われる相当の利益(相当の金銭その他の経済上の利益)です(特35条4項)。例えば、発明者は、企業等が出願人となる代わりに、企業等から相当の利益を受ける権利を持つ こととなります。なお、相当の利益は、平成28年4月1日以前に従業者等へ支払われた相当の対価に対応したものです。

2 相当の利益
従来は、以下の算定式に基づいて、職務発明の相当の対価を定めることとされていました。
[職務発明の対価]=[企業などが受けるべき利益]×[発明者の貢献度]
一方、多くの企業は、出願時や特許時に一定額の報償金を支払っていたものの、上記の算定式に基づいて1件1件相当の対価を求めるということは、行っていませんでした。

現行法のもとでは、相当の利益の内容が不合理でなければ、勤務規則等で定めた相当の 利益の基準に基づいて、従業員等へ支払いを行えばよいとされています(特35条5項)。一方、相当の利益についての定めがない場合や、相当の利益が不合理である場合は、相当の利益の内容を、諸事情を考慮して定めなければならいこととなります(特35条7項)。ここで、諸事情とは、「その発明により使用者等が受けるべき利益の額、その発明に関連して使用者等が行う負担、貢献及び従業者等の処遇その他の事情」とされています(同項)。

この規定を受け、様々な企業が、職務発明の相当の利益の内容が不合理とならないように、従業員等への説明や社内規定の整備を行いました。発明者は、相当の利益の内容(額等)が 少ないとして企業を訴えることは依然としてできますが、相当の利益の内容が合理的であれば、企業は特許法35条7項に基づく相当の利益の内容を議論しなくて済むからです。

3 合理的な相当の利益の内容
相当の利益の内容について、特許法35条5項は、以下のように規定します。

【特許法35条5項】 契約、勤務規則その他の定めにおいて相当の利益について定める場合には、相当の利益の内容を決定するための基準の策定に際して使用者等と従業者等との間で行われる協議の状況、策定された当該基準の開示の状況、相当の利益の内容の決定について行われる従業者等からの意見の聴取の状況等を考慮して、その定めたところにより相当の利益を与えることが不合理であると認められるものであつてはならない。

上記の規定から、相当の利益の内容を決定するための(算定)基準を作る際の協議の状況、基準の開示の状況、及び決定された相当の利益について意見の聴取の状況を考慮し、相当の利益の内容が合理的か否かの判断されることとなります。

相当の利益の内容については、経済産業大臣は特許法35条6項に従って指針を公表しており、その指針が相当の利益の内容を合理的なものとするうえで参考となります。もっとも、個別の案件については、上記の指針を受けた今後の裁判例を考慮しなければ、相当の利益の内容が 合理的か否かを判断することは難しいといえます。

4 協議の状況(相当の利益の内容を決定するための基準の策定に際して使用者等と従業者等との間で行われる協議の状況)
企業側は、従業員等と相当の利益の額をどのように支払うかについて、様々な情報を提供しつつ、十分に協議を行った証拠を残しておくことが重要といえます。なお、指針には、具体的な額の算定方法は記載されていません。一方、指針では、従業員等の貢献度を考慮することなく相当の利益の内容を決定した場合や、相当の利益の額の基準に上限を設けた場合、特許出願時や特許登録時の期待利益に応じた相当の利益を与えた場合に実際に得られた利益とかい離があったときでも、それらのことのみをもって不合理とは判断されないとしています。

相当の利益の基準は、企業ごとに大きく異なっています。出願時及び特許時に一定額を支払うこととしている企業や、企業側が発明を段階的に評価して支払額に差を設けている企業、 ライセンス料などの諸事情を考慮して支払額に差を設けている企業など様々です。いずれにせよ、協議を適切に行ったと判断されるためには、企業等が作成した基準案や、企業等の費用負担やリスク、従業員等の処遇、同業他社の基準例などを従業員等に示しながら、十分に議論を行い、そして議論を行った証拠を残しておくことが望ましいといえます。

また、企業としては、研究者の功績を評価し、報酬を多くする、ストックオプションを付与する、留学させるといった経済的利益を与えることがあります。その一方で、後日、発明者から相当の利益を求められることがあり、それらの経済的利益と相当の利益とは別であるという主張がなされえます。そのような争いを軽減するため、企業が上記の経済的利益を与える場合、 発明者に対し、これが相当の利益の一環であることを明確に伝えることが望ましいといえます。

5 基準の開示の状況(策定された当該基準の開示の状況)
指針を受け、企業等には、具体的な相当の利益の算出方法といった相当の利益の内容や 付与条件を含む基準を従業者等が見ようと思えば見ることができる措置を講ずることが 勧められます。

6 意見の聴取の状況(当の利益の内容の決定について行われる従業者等からの意見の聴取の状況)
指針によれば、決定された相当の利益について、従業者等が意見を表明した際にそれを 聴取する場合でも、意見の聴取がなされたと評価されることとされています。発明毎に、企業と従業者が相当の利益について議論し合うことは、特に大企業では現実的ではありません。 ですから、多くの企業では、上記の指針に従って、社内規定が設けられることが想定されます。

指針では、相当の利益の内容の決定について、社内に相当の利益に関する異議申立制度を設けて、相当の利益の付与に関する通知を行う際に、異議申立の連絡先を併せて通知することが提案されています。実際にこの指針を受け、多くの企業で、相当の利益に対する異議申立制度が採用されています。

7 まとめ
職務発明規定があると、従業員が発明した場合に、企業が出願する権利を持ちます。この規定がないと、発明者である従業員が出願できることになります。安定経営のためにも、職務発明規定を設けることが望ましいといえます。

次に、後日従業員から報酬(相当の利益)が少ないと訴えられないために、相当の利益の額について会社側と従業員が協議を行った証拠を残し、相当の利益を基準に関する情報に従業員がアクセスできるようにしておき、出願時や特許時の報酬に対し従業員が異議申し立てを行うことができる制度を周知しておくことが望ましいといえます。

執筆: 廣瀬国際特許事務所 代表
弁理士 廣瀬隆行
URL http://www.hirosepatent.jp/


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[3] 2/3土、「外国人労働者と日本の産業 〜専門人材と技能実習生〜」研究会
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さて・・・。2/3戦略研「外国人労働者と日本の産業 〜専門人材と技能実習生〜を開催します!
外国人専門人材と技能実習生の許可申請手続きに係る、行政書士の茂木正光さんから、
外国人労働者の受入れの現状や手続きの実際について情報提供をいただきます。
また、少子社会、高齢社会となり、人手不足が常態化する日本の産業と、外国人労働者の受入れ、
そして、移民についてディスカッションを行います。
ご参加お申込みをお待ちしています!

20180203戦略経営研究会/第120回
テーマ 外国人労働者と日本の産業 〜専門人材と技能実習生〜
発表者 茂木正光さん(戦略経営研究会副代表/行政書士)
日 時 2018年2月3日(土曜日) 13:45受付開始 14:00研究会開始 17:00終了
会 場 竹橋「ちよだプラットフォームスクウェア」 5階 会議室501
地図→ http://www.yamori.jp/access/?id=10
会 費 2000円

参加申込
担当(茂木)のメルアド info@sp-senryaku.org まで、
下記の内容を送信してください。

2/3戦略研に参加します。
お名前:
所属:
連絡先(メルアド):
懇親会の出欠: 出席/欠席

または、下記のらくらく参加フォームからお申込みください。
「勉強会名」を「2/3戦略研」としてください。
(SSL暗号化対応)
https://form.os7.biz/f/4da7401d/

勉強会終了後、懇親会を開催します(費用別途)。



【編集発行】オンライン法務部

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2017年11月16日

【オンライン法務部メールマガジン】2017年11月号/第63号/[導入が迫っている平成31年10月より施行の【消費税軽減税率】とは?!]

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技術系・ITベンチャーの実務に役立つ法律・知的財産情報
2017年11月号 第63号 [導入が迫っている平成31年10月より施行の【消費税軽減税率】とは?!]

発行 オンライン法務部 http://www.motoffice.jp/olld.index
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[1] ご挨拶
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クリスマス・イルミネーションが飾られるようになってきましたね・・・。
今月号は、阿部尚武税理士からです。

と・・・。11/21、19:00〜、銀座にて、「ヘルスケア×IT研究会」開催
のご案内もございます!

編集/茂木


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[2] 導入が迫っている平成31年10月より施行の【消費税軽減税率】とは?!
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さて今回は、【消費税軽減税率】をご紹介したいと思います。
平成29年10月22日に衆議院選挙が行われました。今回の選挙での論点にもなっている
消費税10%の増税ですが、増税後も消費税が8%に据え置かれる取引ができる予定です。
通常の消費税率10%に対して、この据え置かれる税率を軽減税率といいます。

1. 軽減税率の概要

 消費税法によると、軽減税率が適用される取引の品目とは、以下の通りです。
※軽減税率対象品目
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1.外食・酒類を除く飲食料品
2.週2回以上発行される新聞
 (定期購読契約に基づくもの)
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消費者は、上記の品目の消費税について消費税増税なし!で良いのですが、事業者は
申告をしなければなりません。そのため、事業者には請求書・領収証への区分記載義務と
会計帳簿の記載義務を負担することになりました。
会計帳簿の記帳義務はともかく、請求書及び領収証への区分記載義務は、消費税の
免税事業者にも適用があります。ですので、免税事業者もシステムの改修が必要になります。

また軽減税率について仕入税額控除を受けるための特例がいくつか用意されています。


※仕入税額控除の特例
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1.小売等軽減売上割合による計算
2.簡易課税制度の選択届出期限の特例
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小売等軽減売上割合は、本来は税区分の異なるごとに帳簿の記載が必要なのですが、
その記帳が困難な中小企業者については、全体の売上に占める軽減税率の適用される
売上の割合を用いて、概算にて仕入税額控除を計算できる特例です。

また簡易課税制度の選択届出期限について、通常は課税期間開始日までに届け出を
出す必要があるこの届出書を、課税期間が始まってから提出した場合でも簡易課税の適用
が受けられることになります。簡易課税であれば、仕入税額控除について細かい帳簿の記載
はしなくて良く、小規模事業者の事務処理が軽減されるメリットがあるからです。

2. 軽減税率に備えるための補助金

区分記載義務にせよ、帳簿の記載義務にせよ、消費税が増税になるときには設備投資が

必要です。そのため財務省では2つの補助金を用意しています。

※軽減税率対策補助金
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A型・・・複数税率対応レジの導入等支援
B型・・・電子的受発注システムの改修支援等
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上記補助金は購入するメーカー等を通じて申請することになるようです。設備投資をする際には、
メーカー等に必ず問い合わせるようにしましょう。

3.その他

消費税の軽減税率は、法案が可決され既に導入が決まっています。そもそもは低所得者対策
として導入が決定されたものですが、すべての国民が対象となるので、果たして本当に

低所得者対策になっていないのではないかとの批判があります。
またさりげなく定期購読の新聞も対象品目となっており、これは将来、軽減税率が利権化される
可能性を持ってしまったことになるのではないでしょうか。
消費税増税分を財源とすることで教育費用を無償化し、消費税増税に理解を求める政党が
ありますが、もともとの増税の趣旨は、プライマリーバランスの黒字化を2020年までに達成する
ためです。これからの子どもたちが、教育費と将来のツケをバーターされるのであれば意味がありません。

皆さんはどう思われますか?

執筆: 阿部尚武税理士事務所 代表 阿部尚武
http://www.abekaikei.com/


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[3] 11/21、19:00〜、銀座にて、ヘルスケア×IT研究会を開催します!

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さて・・・。11/21、医療ビジネス研究会「ヘルスケア×IT最前線 〜業界の動向と各社サービスの事例〜」
を開催します!
医師として、ヘルステック分野をリサーチされている、
二宮英樹さん(医師、セレオ八王子メディカルクリニック)から、
調剤薬局分野、ドラッグストア分野、卸分野、医師人材紹介分野、健康保険組合向けサービス分野、
訪問看護ステーション分野、遠隔画像読影分野、ヘルスケアメディア分野、アプリ分野、


電子カルテ分野、予約システム・自動問診分野、遠隔診療・遠隔医療相談分野、
データビジネス分野、人工知能分野などなどの、
「医療、ヘルスケアに関連して、どのようなニーズがあるのか?」、
「どのようなサービス。会社が既に存在しているのか?」、
「今後の熱い分野は?」について
ご発表をいただきます!
ご発表の後に、質疑応答、意見交換のお時間もございます。
ご参加お申込みをお待ちしています!

20171121医療ビジネス研究会
テーマ ヘルスケア×IT最前線 〜業界の動向と各社サービスの事例〜
発表者 二宮英樹さん(医師、セレオ八王子メディカルクリニック)
日 時 2017年11月21日(火曜日) 18:50受付開始 19:00研究会開始 21:00終了
会 場 銀座3丁目 「銀座ルノアール マイスペース 銀座マロニエ通り」6号室
地図→ https://goo.gl/7wq2oD
会 費 2000円(ソフトドリンク付きです)

参加申込
担当(茂木)のメルアド info@sp-senryaku.org まで、
下記の内容を送信してください。

11/21医療研に参加します。
お名前:
所属:
連絡先(メルアド):
懇親会の出欠: 出席/欠席

または、下記のらくらく参加フォームからお申込みください。
「勉強会名」を「11/21医療研」としてください。
(SSL暗号化対応)
https://form.os7.biz/f/4da7401d/

勉強会終了後、懇親会を開催します(費用別途)。


【編集発行】オンライン法務部

オンライン法務部とは http://www.motoffice.jp/olld.index
専門家集団のご紹介 http://www.motoffice.jp/olld.profile.html

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2017年10月20日

【オンライン法務部メールマガジン】2017年10月号/第62号/[知っておいて損はない下請法の知識]

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技術系・ITベンチャーの実務に役立つ法律・知的財産情報
2017年10月号 第62号 [知っておいて損はない下請法の知識]

発行 オンライン法務部 http://www.motoffice.jp/olld.index
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[1] ご挨拶
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晩秋でしょうか・・・。とはいえ、気温30度近い那覇からの送信ですが(笑
今月号は、石下雅樹弁護士からです。

末尾のお知らせコーナーにはメルマガ読者特典として、
オンライン法務部メンバーによる無料相談のお知らせもあります。
あわせて、ぜひご覧ください。

編集/茂木


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[2] 知っておいて損はない下請法の知識
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1)下請法の概要
 読者の皆さんの事業の中には、大手企業から受託してソフトウェ
アを制作したり、何らかのサービスを提供するというビジネスがあ
るかもしれません。
 そしてこうした下請取引では、一般に発注者が優越的地位にある
ことから、ときとして発注者の都合で下請事業者が一方的なしわ寄
せを受けることがあります。それで、下請事業者の正当な利益が保
護されるよう、独占禁止法の特別法たる「下請法」が運用されてい
ます。
 本稿では、下請事業者のみならず、発注者側も知っておくべき下
請法のアウトラインについてご説明します。

2)下請法の対象
 まず、下請法の対象となる取引は「事業者の資本金規模」と「取
引の内容」で定義されます。具体的には以下のとおりです。
 (a)物品の製造・修理委託等
 以下のいずれかのもの
  資本金3億円超の親事業者
       → 資本金3億円以下の下請事業者
  資本金1000万円〜3億円以下の親事業者
       → 資本金1000万円以下の下請事業者
 (b)情報成果物作成・役務提供委託(*)
 以下のいずれかのもの
  資本金5000万円超の親事業者
       → 資本金5000万円以下の下請事業者
  資本金1000万円〜5000万円以下親事業者
       → 資本金1000万円以下の下請事業者
  (*) 以下のものは(a)が適用されます。
    プログラムの作成委託
    運送、物品の倉庫における保管、情報処理業務の委託

3)下請法に定める禁止行為・義務など
 下請法が適用される契約においては、発注者は種々の義務を負い、
また優越的な立場を利用した様々な行為が禁止されます。その一部
をご紹介します。
(a)書面の交付義務
 発注者には、下請法3条に定める事項をすべて記載した書面(通
称「3条書面」)を下請事業者に交付する義務があり、違反すると
下請法違反に問われるおそれがありますので十分に留意が必要です。
 それで、発注者側も、また下請事業者側も、日常的に使用してい
る「ひな形」を見直し、法律上不備がないか、チェックしてみると
よいかもしれません。この点で、公取委の「下請代金支払遅
延等防止法第3条の書面の記載事項等に関する規則」は役立つと思
われます。
 http://www.jftc.go.jp/shitauke/legislation/article3.html

(b)支払期日を定める義務
 下請代金の支払時期に関しても、納品日から60日以内の、でき
るだけ短期間内でなければならないという定めがあります。
 ここでのポイントは、「納品日から」であって、「検収日から」
ではない、ということにあります。なぜなら、多くの基本取引契約
では、検収日を起算に支払日を定めることが少なくないからです。
また、業務が完成しているのに「未検収」を理由として支払を保留
することも許されない、ということになります。

3)実務上の留意点
 下請法違反の契約や取引は現在もないとはいえませんが、自社の
利益のために故意に違反を行っているというよりも、担当者がコン
プライアンスを意識することなく、社内前例や取引慣習に基づいて
行われている行為が実は下請法に違反している、ということもまま
あるのではないかと思われます。
 それで、下請事業者の立場からは、自社の立場に大きな影響を及
ぼすものであれば、下請法違反の取引条件について、一度発注者に
やんわりと指摘して、改善をお願いすることは試してみる価値があ
るかもしれません。
 この点例えば、「弁護士にリーガルチェックを依頼したら下請法
に違反する疑いが濃いと言われてしまった。弊社は御社を信頼して
いるので、このままの条件で全然異存ないのですが、弊社以外の別
の下請先が公取委や中小企業庁に問題提起すると面倒になるのでは
ないでしょうか」といった言い方で問題を指摘してみる手もあるか
もしれません。
 いずれにせよ、下請法違反については公正取引員会の勧告や立入
検査を受けるほか、公正取引委員会のウェブサイトなどで広く公開
され、企業のレピュテーションや信用へのダメージなども考えなく
てはなりません。それで、受注者側も、発注者側も、取引において
下請法を意識することは、長期的・大局的には相互に利益になると
考えます。

執筆: 弁護士・弁理士 石下雅樹
     http://www.ishioroshi.com/


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[3] 11/21、19:00〜、銀座にて、ヘルスケア×IT研究会を開催します
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さて・・・。11/21、医療ビジネス研究会「ヘルスケア×IT最前線 〜業界の動向と各社サービスの事例〜」
を開催します!
医師として、ヘルステック分野をリサーチされている、
二宮英樹さん(医師、セレオ八王子メディカルクリニック)から、
調剤薬局分野、ドラッグストア分野、卸分野、医師人材紹介分野、健康保険組合向けサービス分野、
訪問看護ステーション分野、遠隔画像読影分野、ヘルスケアメディア分野、
アプリ分野、 電子カルテ分野、予約システム・自動問診分野、遠隔診療・遠隔医療相談分野、
データビジネス分野、人工知能分野などなどの、
「医療、ヘルスケアに関連して、どのようなニーズがあるのか?」、
「どのようなサービス。会社が既に存在しているのか?」、
「今後の熱い分野は?」について
ご発表をいただきます!
ご発表の後に、質疑応答、意見交換のお時間もございます。
ご参加お申込みをお待ちしています!

20171121医療ビジネス研究会
テーマ ヘルスケア×IT最前線 〜業界の動向と各社サービスの事例〜
発表者 二宮英樹さん(医師、セレオ八王子メディカルクリニック)
日 時 2017年11月21日(火曜日) 18:50受付開始 19:00研究会開始 21:00終了
会 場 銀座3丁目 「銀座ルノアール マイスペース 銀座マロニエ通り」6号室
    地図→ https://goo.gl/7wq2oD
会 費 2000円(ソフトドリンク付きです)

参加申込
担当(茂木)のメルアド info@sp-senryaku.org まで、
下記の内容を送信してください。

11/21医療研に参加します。
お名前:
所属:
連絡先(メルアド):
懇親会の出欠: 出席/欠席

または、下記のらくらく参加フォームからお申込みください。
「勉強会名」を「11/21医療研」としてください。
(SSL暗号化対応)
https://form.os7.biz/f/4da7401d/

勉強会終了後、懇親会を開催します(費用別途)。


【編集発行】オンライン法務部

オンライン法務部とは http://www.motoffice.jp/olld.index
専門家集団のご紹介 http://www.motoffice.jp/olld.profile.html

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